ドローン最大手と言えば皆さんお馴染みの「DJI」が、2020年10月15日に「カメラ用手持ちジンバルRoninシリーズ」の最新作「DJI RS 2」を発表しました。
DJI RS 2は、「コンパクトなのに多い積載量」「長いバッテリー駆動時間」「かつてない程スムーズな映像が撮れるジンバル」など話題沸騰中の手持ちジンバルです。
では、どのような性能と特徴があるのでしょうか?
本記事では、DJIが発表したDJI RS 2を詳しく紹介します。

Roninシリーズ最新作「DJI RS 2」を詳しく解説
DJI RS 2とは
DJI RS 2は、今までのジンバルの常識を超えた躍動感のある撮影が可能になった、他に類を見ない「カメラスタビライザー」です。
デザインの「ディティール」や「機能性」の一つ一つにこだわりを感じるRS 2は、撮影技法を極めるプロのために設計されています。
このように業界を牽引するクオリティを誇るRS 2があれば、映像制作の現場に今までにない程の「安定性」が生まれます。
また、映画撮影やプロモーションビデオなど激しい動きのある撮影にも適しています。
以下より、DJI RS 2の詳細をご紹介します。
DJI RS 2の特徴を紹介
DJI RS 2には数多くの特徴があり、様々な環境下での撮影シーンに対応しています。
そんなプロ向けのDJI RS 2の魅力的な特徴を以下で詳しく紹介・解説します。
1.コンパクト&パワフルに
2.フルカラータッチ画面で簡単操作
3.進化したTitan安定化アルゴリズム
4.多様な撮影シーンに対応
5.垂直カメラマウント
6.映画のように鮮明な映像を撮影できるフォーカスシステム
7.簡単組立ですぐ撮影
8.RavenEye映像伝送システムで低遅延の映像伝送
9.駆動時間最大12時間のバッテリー
10.充実したクリエイティブ機能
11.新デザインの軽量キャリーケース
1.コンパクト&パワフルに
DJI RS 2は、「よりコンパクトに、よりパワフル」になりました。
「カーボンファイバー製モノコック構造」により、軸アームの「驚異的なパワフルさ」と、ジンバルは重いという概念を覆すほど「信じられない軽さ」を実現しています。
さらに、ジンバルの重量がわずか「1kg」と軽量設計なのにも関わらず、積載量(試験値)「4.5kg」を実現しました。
このことで、業界最高の「重量対ペイロード比」を達成しています。
2.フルカラータッチ画面で簡単操作
DJI RS 2の持ち手側に「フルカラータッチ画面」が内蔵されています。
タッチ画面を使うことで「ActiveTrack 3.0(※)」に簡単にアクセスすることができます。
※ActiveTrack 3.0・・・DJIの最適化された、「ディープラーニングアルゴリズム」を組み込んだ「自動トラッキング機能」のこと。
直接操作ができ、簡単にできるので「撮影に集中できる」というメリットがあります。
フルカラー液晶画面で、「パラメータを素早く操作」したり「Roninアプリの機能」も全て使用することができます。
Roninアプリを使用することで、「パラメータの設定」「Auto Tune(オートチューン)」など様々な機能を細かく設定することが可能です。
3.進化したTitan安定化アルゴリズム
DJIはカメラスタビライザーを日々進化させ続けています。
今回発表されたDJI RS 2では、DJIの「Titan安定化アルゴリズム」により、かつてない程スムーズで滑らかな映像を撮影できるようになりました。
さらに、「SuperSmoothモード(※)」というモードを使うことで、100mmのズームレンズ使用時でも「微細な動きを補正」し、トルクを増加させることで「クリアな映像を撮影」します。
※SuperSmoothとは・・・最大焦点距離100mmのレンズを安定させ、普通のジンバルを使うよりも、はるかに安定した映像を通常撮影できる機能のことです。
SuperSmoothオフ/オンの時の違いは以下通りです。
見ての通りSuperSmoothがオンになっている時は、オフの時に比べてブレがなく「滑らかな映像撮影」ができています。
これにより、目に掛かる負担が減るのでより見やすい映像になっています。
4.多様な撮影シーンに対応
DJI RS 2は撮影の可能性を広げてくれる素晴らしいジンバルです。
DJI RS 2を使えば「片手操作」で誰にも真似できない映像撮影が可能です。
一方で、多彩な撮影環境を考慮し、プロのサポートも考えて設計されています。
そのため、難易度の高い撮影だったとしても、DJI RS 2はあなたの求める映像を確実に捉えることができます。
その根拠をご紹介します。
DJI RS 2はどちらの「RSAポートもNATOポートに対応してる」ため、様々なサードパーティー製アクセサリーの取り付けが可能です。
つまり、撮影する環境や撮影方法によって外部アクセサリーを装着し、その環境下に適合した撮影ができるということです。
ジンバルの持ち方や取り付け方も場面に応じて柔軟に対応できます。
DJI公式サイトに掲載されているサードパーティー製アクセサリーを取り付けた撮影方法を以下でご紹介します。
【サードパーティー製アクセサリーを取り付けた撮影方法】
・RSA/NATO + フォーカスホイール
・RSA/NATO + ツイストグリップ デュアルハンドル
・RSA/NATO + ユニバーサルマウント
・RSA/NATO + フォーカスホイール
カメラのフォーカスやズームを「FOCUS」と書かれたつまみで微調整できます。
フォーカスやズームを行うのに難しい操作が必要ないので、撮影に集中したまま作業を行うことができます。
・RSA/NATO + ツイストグリップ デュアルハンドル
撮影する環境において、カメラの持ち方はかなり重要だと思います。
DJI RS 2は撮りたい映像に合わせて、カメラの持ち方も「自由自在」に変更することが可能です。
・RSA/NATO + ユニバーサルマウント
DJI RS 2を「カーマウント」「ジブ(上記画像のような小型クレーン)」「スライダー」に取り付け、「遠隔操作」できます。
遠隔操作が可能になった事で、「重量負担」を減らすことができるので撮影者に掛かる負担軽減に繋がります。
5.垂直カメラマウント
DJI RS 2で「ポートレートモード」での撮影を行う際は、「垂直カメラマウント」を使用しましょう。
DJI RS 2なら、SNS用の映像を「プロクオリティ」で撮影して投稿することができます。
6.映画のように鮮明な映像を撮影できるフォーカスシステム
DJI RS 2は優れた「フォーカスシステム」が組み込まれているので、映画のような鮮明な映像を撮影できます。
RS 2トリガー上部に内蔵されている「フロントダイヤル」を使用することで、「片手だけでフォーカス調整」できます。
フォーカスホイールが取り付けられている場合は「ハンドル」を使用して、2チャンネルの「フォーカス/ズーム制御」が可能です。
また近日利用可能になると言われている「3Dフォーカスシステム」は、「ToFセンサー(※)」を使ってレンズと被写体の距離を計測し、わずかに暗い環境でも鮮明な映像を撮影できます。
この高度なシステムのおかげで、「大口径MFレンズ」でも素早いオートフォーカスが可能になりました。
※ToFセンサーとは・・・発した信号が対象物に戻ってくるまでの時間を元に、距離を計測すること。
7.簡単組立ですぐ撮影
DJI RS 2は「簡単に組立て」「すぐに撮影に取り掛かる」ことができます。
以下で簡単な組立て方法をご紹介します。
【DJI RS 2組立て方法】
・Manfrotto + Arca-Swiss2層式カメラマウントプレート
・微調整が可能なバランス調整ノブ
・軸ロック
・テフロン加工されたアーム
・Manfrotto + Arca-Swiss2層式カメラマウントプレート
Manfrotto + Arca-Swiss2層式カメラマウントプレートにより、人気カメラブランドの取り付けに対応しています。
DJIは、RS 2にカメラを取り付ける際、常に「DJI R クイックリリースプレート」を使用することをおすすめしています。サードパーティー製クイックリリースプレートを使用した場合は、固定力と安定性は保証できないので注意が必要です。
・微調整が可能なバランス調整ノブ
出展元:「DJIより」
DJI RS 2では、自分の使う機材に合わせて、「バランスを完璧に調整」することができます。
・軸ロック
DJI RS 2は、軸ロックでジンバルアームを固定するので「バランス調整」や「保管」が簡単になりました。
・テフロン加工されたアーム
テフロン加工の錆びにくいフライパンがイメージしやすいと思いますが、DJI RS 2も同様に「テフロン加工されたアーム」なので、バランス調整中のアームの動きがより滑らかになりました。
8.RavenEye映像伝送システムで低遅延の映像伝送
DJI RS 2は、「RavenEye映像伝送システム」というWi-Fi映像伝送で、「離れていても、確実な操作」が可能になりました。
RavenEye映像伝送システムの詳しい情報を以下でまとめます。
・概要
・性能
・ActiveTrack 3.0(アクティブトラック)
・Force Mobile
・概要
DJI RS 2に搭載されている「RavenEye映像伝送システム」により、「動画伝送」や「カメラパラメーター」を遠隔操作できます。
RavenEye映像伝送システムを「HDMIケーブルを使ってカメラに接続する」ことで、ジンバルと接続せずに映像伝送システムを利用することができます。
・性能
RavenEye映像伝送システムを利用することで、1080p動画を「最大200m先から伝送可能」で、その遅延はわずか「60ms(ミリ秒)」しかありません。
これにより、高品質な動画を遠い場所からでも伝送可能になりました。
・ActiveTrack 3.0(アクティブトラック)
DJI RS 2に搭載されている「RavenEye映像伝送システム」には、「ActiveTrack 3.0(アクティブトラック)機能」が搭載されているので、RS 2は被写体を追跡中に構図を安定させ、被写体の「頭」と「肩」にフォーカスすることで、激しく動くものでも難なく追跡撮影することができます。
・Force Mobile
先ほど紹介したようにRavenEye映像伝送システムを利用することで、「低遅延」「応答性が高まる」など数多くの利点が生まれることは分かっていただけたと思います。
多くの利点があるRavenEye映像伝送システムを利用することで、モバイル端末を使用してジンバルの動作を制御できる「Force Mobile」のパフォーマンスも向上します。
9.駆動時間最大12時間のバッテリー
DJI RS 2には、駆動時間「最大12時間の最高性能バッテリー」が内蔵されています。
DJI RS 2に取り付ける「DJI Ronin BG30 グリップ」の駆動時間は「最大12時間」で、DJI RS 2本体から取り外して「単独で充電」することも可能です。
高速充電を使用することで「たった15分の充電」で「2時間駆動」するという魅力があります。
また、RS 2は「カートリッジ設計」を採用しているため、「よりバッテリー装着が簡単になった」「素早い交換ができる」などの特徴があります。
すぐに次の撮影に移りたい時でも、バッテリー交換に時間を使わないのでより便利になりました。
10.充実したクリエイティブ機能
DJI RS 2では、充実した「4つのクリエイティブ機能」を利用できます。
【クリエイティブ機能】
・タイムトンネル
・Panorama
・タイムラプス
・トラッキング
・タイムトンネル
DJI RS 2を使用することで、「Roll 360」と「ハイパーラプス」を組み合わせて空間と時間が歪んだような映像を作り出す「タイムトンネル」という機能で臨場感と迫力のある撮影を行えます。
・Panorama
出展元:「DJIより」
DJI RS 2の「Panorama(パノラマ)機能」を使用することで、ジンバルがスマートフォンの動きに追随するので、より「滑らかな映像」を撮影できます。
・タイムラプス
静止画を繋げて早回しの動画を撮影できるモードの「タイムラプス」、最近はiPhoneで撮影したオシャレなタイムラプスなどが話題になっています。
DJI RS 2にもタイムラプス機能が搭載されていて、DJI RS 2のタイムラプスを使用することで、固定カメラで「過行く時の流れ」を捉えます。
・トラッキング
DJI RS 2の「トラッキング機能」では、全く同じ動きを繰り返せるように「カメラの移動経路を記録可能」なので、事前に決めておいた動きの通りに撮影する場合に便利です。
11.新デザインの軽量キャリーケース
DJI RS 2を購入すると全ての価格帯共通で「新デザインの軽量キャリーケース」が同梱されています。
こちらのキャリーケースは、「防水仕様のボディ」「RS 2の全部品を収納できる」ように特別設計されています。
軽量で持ち運びしやすいので、過酷な場所での撮影を行う際も心強い味方になってくれます。
DJI RS 2の問題点はあるの?
ここまででDJI RS 2の良いところだけを紹介しましたが、「問題点は全くないの?」と考える方がいると思います。
DJI RS 2にはいくつかの問題点があります。(2020年11月現時点)
以下で、DJI RS 2問題点をご紹介します。
【DJI RS 2問題点】
・カメラプレートがアルカスイス互換となっているが、一般的なプレート(L字プレートなど)は入らない。
※SmallRigから対策品が先行販売されています。
・アプリで調整できる項目が減っている。
レビューを見てみると、「他のメーカーと比べて明らかに上質」などのコメントがあるので、問題点に関してはあまり気にならない程度かもしれません。
Roninシリーズ互換性ガイド
DJI公式サイトでは、「DJI RS 2とカメラの互換性」について調べることができます。
こちらのサイトに表示されている機材との互換性がないと、「撮影ができない」「表示されない」などエラーが起こる可能性があるので、接続する前に互換性を確認することをおすすめします。
以下に、Roninシリーズの互換性の詳細ページを載せるのでご参照願います。
DJI RS 2の販売価格・販売時期
DJI RS 2の発売日・販売価格は以下の通りです。
DJI RS 2の販売価格・販売時期 | |
出荷開始 | 10月30日(金) |
価格 | |
DJI RS 2単体 (DJI RS 2、BG30グリップ、クイックリリース プレート、キャリーケース等) |
86,900円 |
DJI RS 2 Proコンボ (DJI RS 2、BG30グリップ、クイックリリース プレート、キャリーケース、フォーカスモーター、映像トランスミッター等) |
105,600円 |
Twitterの反応
TwitterでDJI RS 2発表に対し、世界中の多くの方が反応しています。
DJI RS 2という機材がスゴイ。
可能性が広がる。 pic.twitter.com/v59WCfWfZG— UISHAAAWORKS™ (@UISHAAAWORKS) November 5, 2020
こちらの方は、「スマートフォンとジンバルを同期」させています。
映像を見ても分かるように、DJI RS 2がスマートフォンの動きを正確に追随しています。
Shot on DJI RS 2.
Full review here: https://t.co/GgRPztUY4v pic.twitter.com/sy9R5WPHb8
— Faruk 🚀 ᴵᴾᴴᴼᴺᴱᴰᴼ (@iPhonedo) October 15, 2020
こちらの方は、実際にDJI RS 2を使用して撮影した映像をYoutubeで公開しています。
動画を見ても分かるように、走っているにも関わらず「振動」や「揺れ」を全く感じません。
これだけでもRS 2は、「優秀な性能を持ったジンバル」だということを再認識させられます。
DJI RS 2総評価
ここまでDJI RS 2を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
今までのジンバルの常識を超えたような「Titan安定化アルゴリズム」「コンパクト&パワフルなジンバル」「フルカラータッチ画面で簡単に操作できる」など特徴を述べたら止まらなくなる程素晴らしいジンバルです。
持ち運びに適している「軽量キャリーケース」が標準で同梱されていながら、「86,900円~」とコスパも最強です。
プロ向けに設計されたこの「DJI RS 2」は、「Youtube撮影」「テレビ」でも大活躍すること間違いないと言えます。

DJI RS 2のスペックを紹介
DJI RS 2は「約1kgと軽量」で、進化した「安定性アルゴリズム」などプロ向けのカメラスタビライザーとしての高いスペックを持ち合わせています。
DJI RS 2の詳細なスペック情報を以下に掲載します。
周辺機器 | |
アクセサリー用コネクター |
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バッテリー |
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接続 | Bluetooth 5.0、USB-C |
モバイル アシスタントソフトウェア要件 |
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タッチ画面 対応言語 | 英語、簡体中国語、繁体中国語、ドイツ語、フランス語、韓国語、日本語、スペイン語、ポルトガル語(ブラジル)、ロシア語、タイ語 |
動作性能 | |
積載量(試験値) | 4.5 kg |
制御可能最大回転速度 |
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機械的な可動範囲 |
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機械的&電気的仕様 | |
動作周波数 | 2.4000 GHz ~ 2.4835 GHz |
伝送電力 | < 8 dBm |
動作環境温度 | -20°C ~ 45°C |
重量 |
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ジンバル寸法 |
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