
電波が届く距離とドローンの飛行距離には相関関係がある
ドローンを飛ばす前には、必ず電波が届く距離を把握しておきましょう。
その理由は、電波が届く距離を把握することで、ドローンの飛行距離自体を把握することができるからです。
ドローンの機種にはそれぞれ飛行距離というものが設定されています。ドローンの飛行距離は機種によってさまざまですが、大きくまとめると300から2000メートル程度だと考えておいてください。
また、周囲に干渉物があるかないかでも飛行距離は大きく異なってきます。なぜなら、電波が正しくドローンに伝わるかどうかが大きく変わってくるからです。
障害物がない場所だと、電波が届きやすいのでより遠くまで飛ばすことが可能です。一方で、建物が多い場所であると大体500メートル程度が限度でしょうか。大型のドローンであれば最大300メートル程度の飛行距離しか出ません。
通信法式による飛行距離に違いについて
ほとんどのドローンが、Wi-Fiでスマホやプロポ(送信機)とドローンを接続して飛ばせるような仕組みになっています。特に、ホビー向けドローンであればまず間違いなくWi-Fi接続での飛行のみとなっていることでしょう。
スマートフォンからWi-Fi接続でドローンを飛ばす場合は、80メートルから100メートル程度が限界と言われています。
たとえドローンの飛行距離が100メートル以上であっても、スマホ自体がドローンに効率よく電波を送受信するデバイスはではないので、それくらいの距離しか出ないということです。
反対に、スマートフォンではなくきちんとしたプロポ(送信機)を使用するとどうなるでしょうか。
4キロから5キロメートルの長期間の飛行が可能となります。ただし、確かに理論上は可能ではあるのですが、日本の航空法では目視できる範囲でしか飛行をしてはならないと定められています。私たち人間が目視できる範囲は一体どのくらいなのでしょうか? 一般的には100メートルから200メートルが限界と言われています。
そのため、実際に4キロも5キロも飛ばす事は難しいのです。相当な見晴らしの良い場所であったとしても、ドローン本来の飛行距離を発揮させることはできないのです。
代表的なドローン機種ごとの飛行距離一覧
DJI Phantom4 | 2,000m |
DJI Mavic Pro | 4,000m(送信機)、80m(Wi-Fi) |
DJI Spark | 500m(送信機)、距離100m,高度50m(Wi-Fi) |
ZEROTECH DOBBY | 100m(Wi-Fi) |
Parrot Bebop2 | 300m(Wi-Fi) |
ドローンを飛行する際の距離と高度について
スマホWi-Fiでドローン飛行する際は距離に注意
日本国内向けに販売されているドローンのほとんどは、Wi-Fi接続で飛行させることができます。よって、ほとんど人はWi-Fi接続での飛行についてのみ知っておけば大丈夫です。
ここでは、Wi-Fi接続での飛行において気を付けなければならない点について説明します。
Wi-Fi接続の場合、2.4GHz帯の電波帯が使用されています。この2.4GHz帯は非常に電波干渉を受けやすいという特徴があります。そのため、電波途絶に注意しましょう。
また、Wi-Fi接続(2.4GHz帯)でドローンを飛行させる場合、飛行距離は短くなります。
2.4Ghz帯の電波というのは、電話や無線LANといった私たちの生活に密着したさまざまな通信機器に利用されています。
そのため、人通りの多い場所やイベント会場、電波塔近辺などでの飛行はより一層干渉を受けやすくなります。
スマートフォンの4G回線やLTE回線は、2.1GHz帯が使われていますが、混雑すると2.4GHz帯の電波とかみ合います。
意外なものでいうと、電子レンジや無線LANなどの干渉も受けます。
ドローンを飛ばす場所によっては電波が混雑する可能性があるので気を付けましょう。
飛行の際は電波状況を必ず測定しよう
さて、ここまで2.4GHz帯では電波障害が起こりやすいという話をしてきました。
そのような問題を解決するために、周囲に電波塔やWi-Fi接続したパソコンといった、混雑の原因となり得る2.4GHz帯の電波干渉を受ける場所でないかどうかを必ずチェックしてください。
2.4GHz帯の電波チェッカーなども販売されていますので、気になる方はそちらの購入も検討されてみてはいかがでしょうか。
ドローンのなかには、1kgを超える重量があるものもザラです。たかが1kgではありません。それが空から降ってくるのですから、ぶつかった時の衝撃は大変なものです。電波途絶などによって突然ドローンが墜落してしまい、人的・物的な被害を起こしてしまわないよう、しっかりと注意しましょう。
また、スマートフォンでのWi-Fi接続は、手軽にドローンを飛ばすのに最適ですが、本格的に楽しむのであればプロポも持って出かけたい所です。ただし、ドローンを飛ばす際には、Wi-Fiでも送信機でも、国内では2.4GHz帯の電波を利用していることは認識しておく必要があります。
2.4GHz帯は、電子レンジや無線LANなどに干渉されやすい帯域のため、墜落の危険性を認識し、周囲の状況をよく見てフライトを楽しんでください。